今回はお客様のシビックを同色全塗装したので、作業内容を公開させていただきます。

作業前

今回のお車はシビック タイプRです。
シビック自体が1972年に販売を開始された歴史のある車です。
そんなシビックをベースにエンジンやサスペンションをチューニングしたタイプRシリーズのスポーツカーです。

シビックタイプRシリーズの中でもこの車は3代目で2007年から2010年に販売されていました。
初年度登録は2010年で、13年前の車になります。
外観のぱっと見の写真はとても綺麗に見えますね。

黒の車は実は紫外線の吸収率が高く、色褪せなどが起こりやすい色です。
この車も例外ではなく、エンジンの熱と紫外線で塗装がやられやすいボンネットと紫外線の影響が最も出やすいルーフの艶がところどころ引いていました。
サイドのスポイラーもクリアーが剥がれている状態でした。

サイドのスポイラーは接着剤とネジで固定されており、その上からパテがついていました。
当初の予定は他のパーツの塗装と同様に外して塗装する予定だったのですが、
修理が必要だったので、新品と交換をすることになりました。

作業内容

同色全塗装です。
ボンネット・ルーフは下地処理をしています。
左右ともサイドスポイラーを外して塗装をしました。
左サイドシルは鈑金修理をしましたが、左のサイドスポイラーは修理するなら取り替えを希望されていた為
左のサイドスポイラーは新品を交換しました。

作業中

まずは下地処理をしていきます。
ルーフとボンネットは塗装の状態が悪かったので、状態の特に悪かった部分は全てペーパーで削っていきます。

全て削り落としたら、サフェーサーという塗料を吹きました。
このサフェーサーは塗装の下地材ですが、旧塗膜と新塗膜の密着性を上げる役割もします。
塗料で消える程度の小さな傷や凹みはサフェーサーで消すこともできます。
全塗装の色によってサフェーサーの色も変えており、この車は黒に塗装予定なので、一番黒に近い濃いグレーみたいな色を塗っています。

サフェーサーが塗り終えたらしっかり乾燥をさせて、全塗装の為に他のパーツも足つけ程度に研いでいきます。
全て研ぎ終えたら、塗装ブースに移動をさせてマスキングをしていきます。
サフェーサーなどの下地作業ではマスキングは新聞紙を用いることが多いですが、塗装作業ではツルツルとしたハトロン紙を使用します。
埃やゴミ等が発生しにくいのが特徴で、塗装の品質向上のためには欠かせないものです。

マスキングが終了をしたら、ボディーに風を当てながら拭き上げをしました。
下地作業やマスキング作業で触ったところに手の油分などが付着をしていると塗装の不具合の原因となるので、
しっかり拭いて塗装ができる状態のボディーにしていきます。
それが終わったらいよいよ塗装作業です。

ベースを数回塗ってから乾燥を少しして、その後クリアーを数回塗って完成です。
塗装は何故一気に塗らないのかというと、一気に塗ってしまうと塗料が垂れてきたりムラになってしまったりするからです。

しっかり乾燥をさせたら、マスキングを取って他の塗装をしていないパーツに取り掛かっていきます。

本体の塗装が終わったので、分解したパーツも塗装をしました・
なるべく浮かせた状態で塗りたいので、台の上に吊ったり治具にセットをしたりして準備をしていきます。

準備が終わったら塗装をします。
本体同様に数回に分けてベースを塗って、少し乾燥をさせてクリアーを数回塗って
乾燥をさせて完成です。

しっかり乾燥をさせたら今度は組み付けをしていきます。
磨きがある場合は、磨きをこの時点ですることがあります。
見積もりの金額は上がってしまいますが、磨きを行うと塗装の乾燥をする段階でシンナーが抜けるとボヤッとした印象になります。
磨きを行うことでそのボヤッとした部分がなくなることによって、より深みのある印象になったりします。
メタリックやキャンディー塗装を行なった時には特にオススメです。

組み付けが全てできたら動作確認などのチェックをして完成です。

完成

艶が蘇って、綺麗になったシビックが完成しました!
経年劣化によって褪せた部分もしっかり深みのある綺麗なブラックになったと思います。
写真ではなかなかわからないですが、目視できる擦れた傷なども無くなって新車同様の状態になった時に比較をするのも全塗装の醍醐味の一つだと思います。

主に下地処理をしたところの比較画像です。
撮影条件が同じではないので分かりにくいとは思いますが、
下地の部分から悪くなっていた状態をペーパーでしっかりと落として、下地の部分から綺麗にしたので
透き通った綺麗な印象になっていると思います。
黒は雨染みなども目立ちやすいですが、全塗装で綺麗になるとスッキリとしていて洗車も楽しくなると思います。

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