施工前

今回は愛知県よりお越しのお客様の、三菱ランサーエボリューションを、純正色のレッドソリッド(P23)に同色全塗装を行いましたので作業内容を公開させていただきます。

さっそく入庫時の状況です。赤色は抜けてしまい、パネル毎の色の変化が非常に目立っています。赤系の色は紫外線を他の色よりも多く吸収してしまうため、退色が早い傾向にあります。赤色の車に退色が多いのには、理由があったんですね。

また、右の前後ドアとフロントフェンダーの色が色濃く残っているのは、過去にこのパネルのみ鈑金修理を行い、塗装後の経過時間が少なくなっているからです。この写真を見る限り、金属部分よりも樹脂パーツの方が退色しにくいようですが、、、

また、今回はカーボン製のリアウィングの補修も承りました。経年劣化によりカーボンウィングのクリアーが剥がれてしまい、ご自身にてクリアー塗装をされたそうですが、再塗装されたクリアーも剥がれたり、割れが発生していました。また、ブレーキキャリパーの再塗装も同時に行いました。

作業内容

作業中

今回はボディーのすべてのパネルで下地処理を行いました。プライマーサフェーサーには、防錆作用、塗料の密着性向上、塗装面の傷を隠し滑らかにする、上塗りの発色性の向上など様々な効果があります。特にクリアーが剥がれていたり、塗膜にダメージがある場合には必ず必要になってきます。

ボディーの次は小物類の塗装に入っていきます。こちらは大きな退色や塗膜へのダメージなどはありませんでしたので、通常通りの工程で塗装を行っていきます。

次はブレーキキャリパーの塗装です。

キャリパーは高熱にさらされる部品ですので、塗装には耐熱性能のある塗料を使用します。今回は赤色に塗装をし直し、ブレンボのロゴを入れ、クリアー塗装を行いました。

耐熱塗料で赤く塗装を行った後に、耐熱のステッカーを張り、耐熱クリアー塗装で仕上げました。

最後はウィングの処理についてです。今回はカーボンの上に市販のクリアースプレーにて塗装がしてありましたので、まずはクリアーを剥がすことが重要でした。幸運なことに、脱脂剤をつけ擦ることで、素直にはがれてくれましたので、その後クリアー塗装を行いました。

作業

では、作業終了後の写真です。室内では光の加減で少し薄い赤色に見えますが、実際にはしっかりと濃い赤になっています。

今回は、カーボンウィングの補修や、ブレーキキャリパーの塗装など、オプションでの作業がいくつかあり、全塗装後はよりきれいに蘇った印象を受けました。

一部の国産のスポーツカーの価格は高騰中で、非常に希少価値が高くなってきています。同じ車は二度と生産されることもありません。

全塗装をされるお客様の多くは、そのお車に特別な思いがあるはずです。そのすべてを理解することはできないかもしれませんが、そんな特別な思い入れのある車を蘇らせ、もう一度きれいな状態にお戻し、また新しい思い出を特別な車と作っていく。スタッフ一同、そのお手伝いができればと思っております。

来店での見積もりご希望のお客様は、あらかじめ連絡をいただけると助かります。